「障害年金もらってはずかしくないですか」「はずかしい理由がわかりません」

以前に統合失調症で年金をもらって
自立した生活への
支えのひとつにすることについて書いたのですが

統合失調症になったら障害年金は一番大きな経済的支援です。障害基礎年金としてもらえる額は月約6万5千円。将来の自立した自由な生活に役立てるために大切な

この記事について
以下のようなご質問をメールでいただきました。

病気で障害が残ったのなら
年金を請求することを悪いとは言いませんが

(中略)

年金をもらったことを記事にしたりするのは
恥ずかしいとは思わないんでしょうか。

さて、このご質問に対するわたくしのこたえを
ひとことでまとめるなら
この記事の題名にもあるとおり

はずかしい理由がわかりません

です。

障害年金を請求することは誰にも認められた権利です

たとえばあなたが自動車の保険に入っていたとします。

(車を持っていないから加入していない、というあなたも
 存在くらいは知っていますよね。)

あなたは毎月保険会社に保険料を支払っています。

鼻歌まじりでごきげんに運転していたとき
ちょっとだけブロックの壁に
大切な愛車をこすってしまいました。

あわてて修理屋さんに持ち込みましたが
費用は5万円・・・。

突然の出費に
あなたは目の前が暗くなるような気持ちになって
がっくりと落ち込んでしまいます。

「なにもなかったようにきれいに直しますから
 安心してくださいね」

修理屋さんの優しい声に少しだけ気持ちが回復したあなたの頭の中に
別の問題が浮かんできて
あなたはふたたび頭をがっくりと落とすことになりました。

その問題とはそう

「保険の請求どうしよう。
 保険金もらうなんてはずかしいこと。
 でも修理代の出費は痛いし・・・」

「ちょっと待って!
 自動車の保険と障害年金じゃ
 まったく違うでしょう」

そうですね。

違うところもありますけれど
わたくしがお話したかったのは
自動車保険と障害年金の共通するところなんです。

障害年金も保険料を支払っています

たしかに物質としての車をこすったのと
統合失調症という現在の医学では完治しない病気のために
障害が残ったのとでは
ずいぶん大きな差がありますね。

車は腕のいい修理屋さんにお願いすれば
またピカピカに戻るかもしれませんけれど

統合失調症には一度なったら
ずっと死ぬまでお付き合いが続いて
生活や仕事のたくさんのことが影響を受けますから。

あなたが車をこすってしまった例に戻ると
さいごにちょっとおかしなお話になっていましたよね。

なぜあなたは自動車保険の請求は
恥ずかしいと感じて
あんなにも思い悩んでいたのでしょうか。

そもそも自動車保険を請求することが
どうしてはずかしいのでしょう。

例えのはじめにお話したとおり
あなたはその自動車保険に加入して
毎月保険料を支払っています。

ということは
あなたの愛車に傷がついてしまった今
その修理代を請求することは
当然の権利のはずではありませんか。

あなたが自動車保険の請求を
はずかしいと思ってためらうとしたら

それはその権利をなんらかの理由で
当たり前と思えていないからではないでしようか。

わたくしがお話したかったのは
その「なんらかの理由」なのです。

障害年金も請求して受け取れる可能性があるというのは
年金に加入をして
その保険料を納め続けている場合です。

次の記事でも触れたとおり
年金に加入もしていなければ保険料も納めていない場合には
そもそも障害年金の請求自体ができません。

統合失調症の人にとって障害年金がもらえることは自立への大きな一歩につながります。でも申請はなかなか大変。そこで書類の準備などをはじめる前にまず統合失調症で障害年金を申請するときに最低限必要な条件を確認してみましょう。

今回

「障害年金の請求をするのは恥ずかしくないですか」

とのご質問をくださった方は
もしかしたらそのことをご存知なかったのかもしれないと思いました。

ふつうに働いていると年金の保険料は
お給料から天引きされていて
あまり考えてみることがないですものね。

「高いな」と思ったり
「自分は本当に年金をもらえるんだろうか」と
不安にはなったりしますけれど。

国民年金に加入もせず保険料を支払ったこともないのに
障害年金を請求するなんて話であれば
ずうずうしくてはずかしいことだと思います。

けれど年金に加入をして
しっかり保険料を納めているなら

病気やケガで障害が残ったときには
誰にでも障害年金を請求する権利があるのは
あまりにも当たり前のお話ですよね。

ですから

「障害年金をもらうなんてはずかしくないのか」

という質問にたいするわたくしのこたえは

「どうしてはずかしいのかわかりません」

ということになるのです。

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