「できるとき」に「できること」を「できるだけ」で
穏やかな統合失調症生活を
最近、調子が悪くなったとき、
私が特に大変だと感じたのは、
・時間が読めなくなること
→ 家を出る予定の5分前に電話がかかってきて
何分か話した。
今からどれだけ急げば予定に間に合うのか、
もう予定には間に合わないのか、
間に合わないことを連絡した方がいいのか、
連絡する時間を惜しんで、
とにかく向かった方がいいのか。
判断がすごく難しいです。
・思考がまとまらないこと
→ お腹が空いた、と自覚してから
なにか食べよう、と思いつくまで
数十分から数時間。
何を食べるのかを決めるのに数十分。
その料理のために必要な食材は?
冷蔵庫には何があって何を出す?
食材を切る方が先?
お鍋でお湯を沸かす方が先?
お昼ごはんを作って食べるためだけに
午後中かかることもしばしば。
などです。
料理なんて、私は、
小学一年生の頃からしています。
調子さえ悪くなければ、
ほぼ無意識でできてしまうことです。
それが調子が悪いときの進まなさといったら、
気づいたら冷蔵庫を開けたまま
一時間でもその前に座り込んだりしていますから、
客観的に自分を見ていると
声を出して笑ってしまうくらいです。
私にとっての料理くらい、
身に沁みついた、習慣になっている行動が
それだけ滞る(とどこおる)なんて。
そんな状態のときに、仕事を進めようとしても、
自分のあまりのできなさ加減に、
仕事も気分も、必ず、暗礁に乗り上げてしまう、
ということに、何度も失敗を繰り返してから気づきはじめました。
それで、頭があまり働かなくなったとき用に、
比較的単純な作業を具体的な手順つきで
残したりしておくようになりました。
多少、調子は悪いけれど、何とか動けるくらいなら、
「それでもこれだけのことはできた。
15分はがんばれた。」
と、一日の終りに思えるように。
この、調子が悪いとき、一瞬訪れる、
頭にかかった靄(もや)の晴れ間に
何とかできそうなことを用意しておく作業は、
比較的、調子がいいときにしておくのがおすすめです。
調子が悪くて、判断力が落ちているときに
「今、できることは何だろう。」
なんて考えているうちに、
気づいたら夜になっていた、
なんて経験を何度したことか・・・。
私がそんな、失敗体験を繰り返す中で、
だんだんと形になってきた、
調子が比較的よくて、
考えがまとまるときにする、具体的なことを、
順に書き出してみます。
1.あなたが、「こんなふうにできたらいいな。」
「この人みたいになりたいな。」と思う、
理想の姿を思い描く。
2.理想の姿を自分に当てはめて、
より具体的にしていく。
3.「こんなふうにできたらいいな。」と憧れることの中で
一番近くにある、一番早く実現できそうなことを見つける。
4.最初に実現することをひとつ決めたら、
実現に必要な手順を書き出す。
5.手順の中で、調子がよくないと難しそうなことと
単純作業としてできそうなことを分ける。
6.自分の体調に合わせて、手順の中から
「できるとき」に「できること」を「できるだけ」する。
調子が悪いときはもちろん、いいときにも、
絶対に無理はしないこと。
統合失調症でも、充実した毎日を送れるコツのうち、
ほんのひとつの、しかも骨組みを書き出しました。
ですから、手順によっては
上手にする方法がはっきり分からないかもしれません。
ただ、ひとつひとつについて詳しく書くと、
読み切れないほど長くなってしまいそうですから、
今は、
「統合失調症でも、焦ったり、いじけたりするばかりじゃなくて、
充実して、『ちゃんとしている』と感じられる、
そんな生活をすることは不可能なんかじゃないんだ!」
ということだけでも知っていただいて、
できる範囲で、工夫をしながら、
少しでも、統合失調症生活を改善していっていただけたら、
と思います。
調子がいいときのあなたがすることは、
調子が悪いときのあなたがゆっくり休めるために
あなたから、あなた自身に残すことのできる、
あなたにしか作ることのできない、
貴重で、大切な、贈り物なのですから。